修了生による冬眠動物の骨格筋再生に関する研究成果が The FASEB Journal に掲載されました
本研究室の修了生(2024年度修了)である宮地達也さん、粕谷龍一さん(ともに博士前期課程修了)が中心となって進めた研究成果が、国際学術誌 The FASEB Journal に掲載されました。
本研究では、冬眠哺乳類であるシリアンハムスターの骨格筋幹細胞(サテライト細胞)に着目し、極端な低温ストレス環境においても細胞死を回避しつつ、筋再生が選択的に抑制されるというユニークな応答を明らかにしました。
特に、抗酸化ストレス応答や代謝制御を通じた細胞死抑制メカニズムが関与していることが示され、細胞の生存性が保たれる一方で、筋再生に必要な活性化・分化プログラムが抑えられることが明らかとなりました。また、冬眠中の個体においても、損傷後の筋再生が実際に遅延することが確認されました。
本研究は、in vitro(細胞実験)を宮地さんが、in vivo(動物実験)を粕谷さんがそれぞれ担当し、両者の成果を統合して完成したものです。
論文タイトル:Cold-Induced Suppression of Myogenesis in Skeletal Muscle Stem Cells Contributes to Delayed Muscle Regeneration During Hibernation
掲載誌:The FASEB Journal, Volume 39, Issue 23, 2025年12月号, e71297
DOI:https://doi.org/10.1096/fj.202502651R
福山大学薬学部・渡邊准教授、北海道大学大学院獣医学研究院・下鶴准教授、北里大学理学部・塚本助教、北海道大学低温科学研究所・山口教授らとの共同研究として実施されました。
冬眠動物が示すこうした特殊な筋再生制御機構の解明は、低温環境下での組織維持や再生を可能とする生理的適応の理解につながり、再生医療や細胞・組織保存技術への応用が期待されます。



